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遥の姿が
ある朝目が覚めると杉蔵は独りでした。あの最愛の遥がいません。
そして、遥の御守りであったロザリオだけが転がっていたのです。
村人たちは遥はきっと神隠しにあったんやなどと言って杉蔵を助けてやろうとしませんでした。
杉蔵は独り寂しく痩せ細りながら遥の御守りのロザリオと遥のrockな服を抱きしめて、毎晩眠りにつくのでした。
丑三つ時、遥の声がします。「杉蔵さん。杉蔵さん。あたし、向こうの世界に行ったんです。向こうは天国ですよ。」杉蔵はその時、金縛りに遭っていました。
しかし、遥と一緒にいたいので杉蔵は言いました。
「遥、俺を許しておくれ。連れていってくれ。お前のいる天国に。」
明くる日、杉蔵は安らかな顔して死んでいるのが村人によって発見されました。
元々家族のいない、杉蔵と遥でしたから村人たちは
杉蔵と遥の葬式をヤソ式に行い、二人を静かな墓地に供養しました。
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