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それから数年後
杉蔵と遥の屋敷はもの好きな金持ちに買われました。
というのも、杉蔵が育ていた大根やニンジンや白菜などがいつも季節ごとにその実をつけていて、野菜ができるのでした。
餓えた者は仕方なく、遥と杉蔵に感謝しつつその野菜を拝借していましたが、いつからか噂になり、ヤソの神様の祝福らしいとなったのです。
金持ちの名前はジョシュア、アメリカ人でした。
日本人ながらヤソとしての生涯を全うした、遥と杉蔵に深く心を痛めつつも、その跡を残したいと思ったのでした。
ジョシュアはそこに旅館を建てて、遥と杉蔵が一緒に寝ていた和室だけを残す形で商売を始めました。
そこでは、杉蔵の畑で自然にできる野菜を季節ごとに出すのでした。
次第に杉蔵と遥の噂は各地に広まり、旅館はある程度、客足が伸びてきました。
そして、屋敷の杉蔵と遥の部屋は最初は客室していませんでした。
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