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不思議なこと
ヤソの夫婦が亡くなった後の旅館として、そして不思議にも自然に収穫できるまで育つ野菜が取れる場所として、その場所は次第に訪れる人が増えていくのでした。
ある客がどうしても、杉蔵と遥の和室に泊まりたいと願うので、ジョシュアは許可を出しました。
その客はラフカディオバーンの子孫だと言っておりました。
その客、バーンが寝ています。
時刻は丑三つ時でした。
「バーンさん、バーンさん、私の名前は遥。」
と幼女の声がします。
「バーンさんのために、御子イエス様にお祈りします。バーンさんの人生を祝福してください。アーメン」
バーンは夢なのか現実なのか分からずそして、ふと枕元に立つ和服姿の、髪の長い男と幼女のような微笑みをした二人組を見ました。
それから、男がこう言いました。
「遥よ。こっちの世界に降りてくるのは俺は疲れる。お前だけ、お客さんにお祈りをしに今度からは行ってくれ。向こうはなにせ天国だ。この現世(うつしよ)に俺はもう来たくないのだ。」
幼女(遥)はいいます。
「わかりましたわ。杉蔵さん。あなたは私がここにお祈りに、降りて来るときは向こうで待っててね。」
バーンは鮮明にこの出来事を覚えています。
それから、バーンは何度となくこの部屋を指名しては、遥のお祈りによって祝福されるのでした。
それから、バーンの事業(不動産)は成功します。
バーンはこの事を多くの人に知ってほしいと杉蔵と遥の物語をこうやって書くことにしました。
そして、かつて昔の村人たちが遥を見て童子(わらし)と言ったのを知ったバーンは
座敷わらしという物語を書き、史実として残します。
遥のロザリオと遥を模した、日本人形がその部屋には飾られました。
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