都会には地図にない空間があるそうです

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 気が付くと、真っ直ぐに延びた薄暗い通路を歩いていた。  コンクリート剥き出しの壁と天井。  湿気があるのか、その壁は濡れているように見える。  どこまで続いているのだろう……。  通路の先は暗く、良く見えない。  空間にぽっかりと空いた穴のように見えた。  なにも解らず、ただ歩き続ける。  靴底の感触が変わり、視線を下に向けた。  床の上に白い模様が刻まれている。  その場にしゃがみ込むと、手で床を撫で、直にその感触を確かめた。
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