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驚くほどつまらない英語の授業中、突然に母校の中学を覗いてみようと思った。席に縛り付けられたまま苦痛に耐えることしか許されなくなってしまったお昼休みあけの死にそうな時間。教室全体に末期の空気が充満し、わたしの前の男子生徒が最後の力を振り絞って窓を開けた。
とろりとした風が流れ込む。同時に、校庭に植えられた桜の木だか何かの青あおと繁った葉がさらさらと揺れる音色が運ばれてきた。Rustling。頭の中に英単語が響いた。Rustling。さらさらとなる音。わたしじゃない声が頭の中で響く。響いた英単語が呪いを解く鍵だったかのように、ようやくわたしの意識はクソつまらない英語の授業から抜け出すことができた。
中学生のころ、仲が良かった二つ年下の男の子のことを思い出した。
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