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そう説明すると佐内さんはなるほどなぁ、と感じ入ったように呟いて空になったサンドイッチの袋をくしゃっと丸めた。それからちょっとしみじみした口調で付け足す。
「思えば、四歳しか違わないけど。お互いずいぶん違う環境で生まれて育ってるんだよな。こうやって出会って一緒に仕事してるのもたまたまの偶然なんだよな、俺と柚野とは」
「…そうですね」
わたしは深く頷いた。ほんとにそうだ。
どうにも居心地の悪い自宅の自室にじっとこもって必死に勉強に打ち込んでた時も。眠れない日が続くなか米村さんとコリドラスの姿を見つけて真剣に外から目を皿のようにして観察してた頃も。こんな未来は全然想像もしてなかった。
その頃佐内さんは家から大学に通う学生だったり、新人として会社で無我夢中で仕事に取り組んだりしてたはずだ。お互いの存在なんか全く知る由もない。そのまま一度もすれ違うことなく終わってしまってもおかしくなかったのに。
誰と出会うかなんてほんとにただのランダム、全部がただの偶然なのかもしれない。そう考えると。
気まぐれな運命がわたしをこの人のそばに置いてくれてよかった。それともそう考えるのもただの思い入れに過ぎないのかな。佐内さんに出会わなかったらわたしは何の疑問を感じることもなく今頃は誰か別の人を胸の内に住まわせてるだけかもしれない。
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