疾風怒濤の2つの戦い

2/9
前へ
/33ページ
次へ
凛花…そう名乗った少女は、葉っぱが落ちる刹那に、剣を林斗に向かって振り下ろす。その剣は、拳のような風に受け止められる。というか危ない!通行人が結構離れてくれてて助かった! 「やっぱり和解は無理ですよねぇ…」 「ふん!何啖呵切っといて和解を試すんだ!【時の支配者(クロノス)】!」 「やっぱその能力持ってるよね。さっきも恐らく〝未来への瞬間移動〟だし。能力(スキル)発動!【時の王(ヨグ・ソトース)】!」 2人が能力を使用する。その瞬間に2人の姿は消え、その場には〝時計〟が残る。 「何処に行ったの!?暗徒さん分かる?」 「…あぁ、あれは未来に行ったんだ。過去からだと消えたように見えるが、2人とも未来に瞬間移動してるだけ。」 状況把握が出来ていないマイラの為に、暗徒は説明する。説明が終わった瞬間、時計が消え、空中に時計が現れる。 「貴様!何故時を操れる!」 「当然、クロノスから貰ったんだ。」 2人はまた見つめ合う。敵の初動を見逃さないように… 『愛猫神(バステト)!』 2人は同時に叫び、同時に風の刃でせめぎ合う。だが、林斗はその風の拳で、撹乱するように殴る。それを凛花は受け流すが、それに集中してしまい凛花の風の刃が消えてしまう。「ニャハハハハ!強いナお前!」 「御託はいい!貴様…剣を出せ!」 「ありゃりゃ…やっぱりバレてたカ。怨念の剣嵐(カースドテンペスト)!」 そう林斗が叫ぶと、剣が空気中から現れる。 「これが僕の剣だ!まあ…これはレプリカだよ。剣は使わない。」 「…ハァ!?貴様!何を言ってる!」 「だ~か~ら~!」 僕は拳を突き出す。それに合わせて、風の拳も突き出される。 「僕が使うのはこの拳だけって事だよ!」 「…ちっ!強がっていられるのも今のうちだ!【空虚の超越(ヨグソトース)】!」 「まさかそれも持ってるとはね。だけれど、時間が無いんだ。早く勝負を決めさせてもらうよ!」 その理由は不純なんだけどね。早くアスタロトがどうなってるか見たいってだけ。電源操作は[嘘]がやってくれた。羨ましいと言っていたが、意外と協力的だ。いい子だなぁ。…勝負中に別の事考えるのは駄目か。 「【堕天使の成れの果て(大魔王サタン)】。」 相手は、能力を使いこちらに向かう。相手は能力により、空虚になっている。そこにあるが、存在していない。つまり、剣を止めるのは不可能だ…だが、僕はその剣が近づくまでの猶予がある。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加