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凛花…そう名乗った少女は、葉っぱが落ちる刹那に、剣を林斗に向かって振り下ろす。その剣は、拳のような風に受け止められる。というか危ない!通行人が結構離れてくれてて助かった!
「やっぱり和解は無理ですよねぇ…」
「ふん!何啖呵切っといて和解を試すんだ!【時の支配者】!」
「やっぱその能力持ってるよね。さっきも恐らく〝未来への瞬間移動〟だし。能力発動!【時の王】!」
2人が能力を使用する。その瞬間に2人の姿は消え、その場には〝時計〟が残る。
「何処に行ったの!?暗徒さん分かる?」
「…あぁ、あれは未来に行ったんだ。過去からだと消えたように見えるが、2人とも未来に瞬間移動してるだけ。」
状況把握が出来ていないマイラの為に、暗徒は説明する。説明が終わった瞬間、時計が消え、空中に時計が現れる。
「貴様!何故時を操れる!」
「当然、クロノスから貰ったんだ。」
2人はまた見つめ合う。敵の初動を見逃さないように…
『愛猫神!』
2人は同時に叫び、同時に風の刃でせめぎ合う。だが、林斗はその風の拳で、撹乱するように殴る。それを凛花は受け流すが、それに集中してしまい凛花の風の刃が消えてしまう。「ニャハハハハ!強いナお前!」
「御託はいい!貴様…剣を出せ!」
「ありゃりゃ…やっぱりバレてたカ。怨念の剣嵐!」
そう林斗が叫ぶと、剣が空気中から現れる。
「これが僕の剣だ!まあ…これはレプリカだよ。剣は使わない。」
「…ハァ!?貴様!何を言ってる!」
「だ~か~ら~!」
僕は拳を突き出す。それに合わせて、風の拳も突き出される。
「僕が使うのはこの拳だけって事だよ!」
「…ちっ!強がっていられるのも今のうちだ!【空虚の超越】!」
「まさかそれも持ってるとはね。だけれど、時間が無いんだ。早く勝負を決めさせてもらうよ!」
その理由は不純なんだけどね。早くアスタロトがどうなってるか見たいってだけ。電源操作は[嘘]がやってくれた。羨ましいと言っていたが、意外と協力的だ。いい子だなぁ。…勝負中に別の事考えるのは駄目か。
「【堕天使の成れの果て】。」
相手は、能力を使いこちらに向かう。相手は能力により、空虚になっている。そこにあるが、存在していない。つまり、剣を止めるのは不可能だ…だが、僕はその剣が近づくまでの猶予がある。
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