8人が本棚に入れています
本棚に追加
◆◆◆◆◆
あはははは、と辺りに笑い声が響いたのは、それから数分後のことだった。
「今日のは傑作だったよな」
って言ったのは、 いたずら仲間のジョージだ。
「ほんと、あの顔ったらなかったぜ。真っ赤なゆでダコみたいになっちゃってさ。
次はどーする?ティスタ」
「………」
「……って、おい、ティスタ?」
「………ん?あ、ああ……」
俺が、自分でも分かるくらいぼんやりした声で返すと、リィドってやつが「どした?」って聞いてきた。
ちなみにリィドもいたずら仲間の一人だ。
俺は、人差し指で頭をポリポリかきながら、軽く宙を見る。
「……ん~、なんつーか、もっとこう、楽しいいたずらってねぇかなぁと思ってさ」
言った瞬間、皆の目がキョトンとしてこっちを見てきた。
「何だよ、今日のだって充分いいじゃねぇか」
「……ん~、まぁ、そう、かな?」
「そーさ!お前、いたずらの天才だもんな!」
リィドが言う。 俺はそれににっと笑って見せた。
「そーだ!俺は天才だぁ!」
言って、ビシィとポーズをとる。
それを見てみんなが笑った。
これが、この頃の日課……みたいなもんになって た。
──……そう、この日までは。
最初のコメントを投稿しよう!