思い出

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思い出

目が醒めると、ぼくは、白い部屋にいた。 ココは何処だろう?と思っていると 白い壁に様々な色が描かれていった。 (この光景…何処かで…) そう思って見ていると、 其処には懐かしい物が描かれていた。 (あぁ、これはママの絵だ) 何故だか、涙が一つほほをつたう。 涙を拭いていると次々と キャンパスの様な白い部屋に 何が描かれていく。 前にママのキャンパスにイタズラをして 怒られたのを思い出した。 どんどんと描かれる絵は、 ぼくの思い出の光景だった。 なぜ…そう考えながら 描かれる物たちを眺めた。 ふと、意識が浮上する 目の前の光景は、いつも見る風景。 でも、近くに誰もいない… 不安になり、声を出し、ヒトを呼んだ。 「起きれたね…」 そう声が聞こえる。 ママの声だ。 嬉しくなって、声を出そうとする。 でも、掠れてほとんど音として出なかった。 (そっか、ぼく、そろそろお迎えが来るんだ) 身体も動かず、目も霞んでいてあまり見えない でも、不思議と不安は訪れない。 もう最後だろう。 そう思い、声を出す。 「ナァア」 今度は、上手く出せた。 するとママは、泣きそうな声で 「またね」 と言った。 眠くなり、うとうとしながら、目を瞑る。 白い部屋の光景が目に浮かぶ。 もう大丈夫。怖くない。 意識が薄れていく… (次は、もっとママの絵が見たいな。) おやすみなさい。ママ…
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