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俺はどんなにスペックが高くても、涼太の恋愛対象にはならない。なれない。
数時間前まであんなに上がっていたテンションはもう地中深くまで下がっていた。
「なんだよ、さっきまであんな元気だったのに。腹でも減ってんのか?もう夕方だし、飯でも食いに行くかー」
そう言って、涼太は呑気にあくびしながら出かける準備を始めた。ほんとくっそ無神経ヤローだな、こいつ。だけど俺はお前にこんなにも心臓を鷲掴みにされてんだよ。とは口が裂けても言えねぇ。
同じドアから出た外の空気は、目眩がするような真夏の暑さだった。
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