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天然ノンケの職場事情
涼太と同棲し始めて1週間。涼太の仕事が忙しく、すれ違いの日々が続いていた。
涼太はいつも朝7時半には部屋を出て、帰りはだいたい22時過ぎ。俺は8時に登校して夜は家庭教師のバイト。21時過ぎには帰宅。
顔を合わせるのは朝の僅かな時間と就寝前のほんの数十分だけだった。
てことは、一緒に住んでる俺よりも美人上司のあさみさんの方が涼太と一緒にいる時間が長いんじゃん!
これは涼太ラブな俺が見過ごせる案件じゃねえだろ。
今日は日曜だというのに、ほかの友人達は予定があり遊ぶ相手もいない。カテキョのバイトも入っていない。もちろんデートするような相手もいない俺は、涼太の働くショップに偵察がてら足を運ぶことにした。
部屋の掃除をして溜まっていた洗濯物を片付け部屋を出る頃には、時計の針は13時を過ぎていた。
涼太の就職先は日本国内外に100店舗以上のショップを展開する大手ファストファッションの企業だ。
「いらっしゃいませー、どうぞごらんくださーい」
店内に入ると女性スタッフの甲高い声に出迎えられる。
さすがに日曜の昼過ぎは混んでるな。
たくさんの客がいる広い店内でたった一人の姿を探す。
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