天然ノンケの職場事情

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いた。 若い女性客の対応をしている涼太を見つけて、思わずトクン、と心臓が音を立てた。 中学生か、俺は。 にしても、あいつ無表情のくせに接客なんて、ちゃんとできんのかよ?そんな心配をよそに、あいつは整った顔でやわらかく微笑んでいる。 反則だろ、その顔は。俺だってそんな顔した涼太、見たことないんですけど。 女性客は涼太の案内でお目当ての服が見つかったのか、涼太が軽く会釈して去っていった後、一緒に来ていた友人と「今のスタッフさんちょーカッコイイんですけど!いい匂いしたし!」などと言って盛り上がっている。 俺の涼太の匂いとかかいでんじゃねぇよ! イラッとする気持ちが湧いてくる。傍から見れば涼太もかなりイケメンだよな、きっと。 透き通るような白い肌に少し色素の薄い綺麗なアーモンド型の瞳。それほど高くはないが鼻筋も通っていてかわいらしい鼻。唇は厚すぎず薄すぎず、小さめで整っている。髪は少しアッシュがかったベージュで前髪が眉にかからないくらいのショートで涼太の綺麗な顔に良く似合っている。 女が騒ぐのもわかるな。まあ俺ほどじゃないけどな。 ・・・とこんなこと考えてる場合じゃない、涼太に声掛けねぇと。     
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