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俺は平静を装って、涼太にそう答える。
「そっか、オレ風呂入ってくるわ」
あれ?なんか涼太、元気なくね?酒も飲めねぇのに上司に遅くまで付き合わされて疲れたのか?
涼太の事が気になった俺は、とりあえず涼太が風呂から上がってくるのを待つことにした。
20分ほどして、涼太が風呂から上がってきて濡れた髪をタオルで拭きながら、ソファにもたれかかっている俺の横に浅く腰掛けた。
「飲み会でなんかあった?もしかして酔ってんの?」
涼太に問いかける。
「んなわけあるか、酒なんか飲んでねぇよ」
やっぱりいつもの涼太より少しだけ声が沈んでいる気がする。
「なに?上司の相手してきて疲れたか?」
俺の言葉に、髪を拭いていた涼太の手が止まる。
え、なに、なんか嫌な予感がする。
「オレさ、あさみさんにやらかしちゃったかも」
出た!あさみさん!もー悪い予感しかしねぇよ、聞きたくなくなってきちゃったな。
「あさみさんが酔っ払って、盛り上がっちゃって、二次会行ってさ、次は三次会だーって仕切り始めたんだけど、いつの間にか気づいたらオレたちふたりだけになってて」
おいおいおい、やめてくれよ、なんかこの先聞くのがこわいよ、俺は。
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