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ちょっと待てよ、ダメだ、あの女が涼太の初体験の相手なんて許せるわけねえだろ。
何度も抑えていた涼太への欲望がまた俺の中で燻り出す。でも前みたいに涼太をビビらせる事は避けたい。
どうする、俺・・・
「本番までに、練習、しとくか?」
俺は同じ轍は踏まない男!今度こそ冷静かつスマートに涼太を手に入れる!ドス黒より先に!
それしか道は、無い!
「え?練習・・・おまえ、と?でもオレ達、男同士だけど、練習できんの?」
そう言って俺を見上げる涼太がかわいすぎて、思わず涼太をぎゅっと抱きしめた。
何も反応できないでいる涼太の唇に触れるだけのキスをしてみた。
「おまえは、俺が相手じゃ、嫌?今のキス気持ち悪かったか?」
額を合わせて祈るように涼太に問いかけてみる。どうか拒まれませんように・・・
「気持ちわる・・・くはないかな・・・練習すんなら、知らねえやつよりは、青の方がマシ、かも・・・」
戸惑いながらも俺を受け入れてくれようとする涼太が、たまらなく愛おしい。こんな有り得ねえ練習、普通受け入れねぇだろ、どんだけバカなんだよ 、涼太、かわいすぎんだろー!俺をキュン死にさせるつもりか!・・・これは、また暴走しないように気をつけねえと。
「もう一回、キスするぞ」
「え?あ、うん」
改めて自分から宣言してハードル上げんな、俺!あー、心臓がうるせえ。
ぎゅっと目をつむり、俺のキスを待っている涼太を見ると、めちゃくちゃに泣かせてやりたい気持ちが溢れ出して来そうになる。ダメだ、今はまだ抑えねえと。
涼太の小さい顎を片手ですくい上げ、上を向かせ顔を近づける。
「ん・・・」
唇が触れた瞬間、涼太の肩がびくっと小さく跳ねて閉じていた唇から少しだけ吐息が漏れた。
「頼むから、あんまり煽んな」
「え?どーゆー意味?」
「なんでもねぇよ」
鈍い・・・鈍すぎてこっちがどうしていいかわかんねぇ。涼太のそういう所が俺の思考回路を狂わせている。
「口、開けてろ」
俺の言葉に素直に従って、涼太は小さく唇を開いた。綺麗に並んだ歯の奥に湿った涼太の舌がチラリと見えて、俺の頭の中は欲望で支配されてしまいそうになる。
「舌、入れるからな」
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