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ベビーピンクの誘惑
もう何分くらいこうしているだろう。
舌と舌を絡ませ、吸い上げ、涼太の口の中の壁を何度も俺の舌で優しくなぞる。
その間、俺はずっと涼太の閉じられたままの瞼や微かに震える長いまつ毛、それに沿うようにしてついている雫、それら全てを綺麗に纏めている白い肌から目が離せずにいた。
「う・・・っ、は、あ・・・ぁ」
時折、喉の奥から艶を帯びた苦しそうな声が漏れる度、涼太に酷くしてしまいそうな自分と戦っていた。
「もう、キスは覚えたか?」
唇を離し涼太に確認する。
「う、ん、たぶん・・・」
今にも零れそうな涙を溜めた瞳を揺らしながら涼太が答える。
ああ~、この日を想定して付き合ってもいない女達とキスしまくっておいてよかった!
今まで育てて来てくれた女達に心から感謝!
涼太をこんな顔にさせることが出来たのも彼女達がいたおかげ、ほんとにありがとう!
そして俺を、女に不自由しない高スペックイケメンに産んで育ててくれた両親、ありがとう!
さて、問題はここからだ。俺の経験はカテキョの足立先生にリードしてもらったあの一度のみ。AVとネットからの情報で、ある程度の予習はしてあるが、相手が涼太だと上手くできるのか不安しかない。いくらイケメンといはいえ、エッチの経験不足は完全に俺の自己責任だからなあ。
本能に従ってやっちまうと、涼太の体、ぶっ壊しそうだし・・・
にしても、あんだけ無表情でエロ動画観てるこいつがキスだけでこんだけ泣きそうになってんのはなんなんだよ。これからどんな事するのか、おおかた予想はついているはず・・・
「これからエロい事、すんだよな?おっぱい揉んだり、弄ったりすればいいんだろ?」
おいおい、色気ねえ事言うなよ、俺がこんなに悩んでんのに、泣きそうになってるくせに無神経ヤローは健在か。余裕だな。あくまで俺とは、ドス黒との本番の前の練習、でしかないって事か・・・
ぜってえ泣かせてやる
そう決めた俺は、涼太を引き寄せて細い首筋に唇を沿わせる。びくん、と体を強ばらせるのがわかる。
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