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青くなる涼太を尻目に、Tシャツの上から唇を這わせて乳首を探り当てて甘噛みすると、涼太がびくっと一瞬腰を浮かせる。
「むりむりむりむり・・・」
「痛い思いしたくないなら、ちょっと黙ってろよ」
Tシャツ越しに、舌で小さな突起を転がす。
素直におとなしくなった涼太の顔を盗み見ると、きつく目を閉じていて、声が出ないように噛み締められた下唇に少しだけ血が滲んでいた。
ソファに縫い付けていた手を解いてTシャツを脱がせるために上に引き上げると、捲りあげた布から、両脇があらわになった。
「毛、生えてねえ・・・」
「まじまじ見てんじゃねえ、オレのコンプレックス其ノニを。其ノ二は男のくせに体毛が薄いことだ。文句あっか!」
無いです。むしろ萌えちゃいます。なんて言えねぇけど。
無表情で悪態ついてるけど、顔が真っ赤だよ、クソかわ涼太くん。なんてのも言えねぇけど。
「声出そうなんだろ、無理に我慢すんな、血ぃ出てんぞ」
俺は、薄く血が滲んだ涼太の唇に、そっと親指をすべらせ、そのまま顎を持ち上げて舌で涼太の血を舐め取った。
涼太の血は、少し鉄っぽい味がしたが、なぜか甘く感じて、自分が吸血鬼にでもなったかのように錯覚してしまう。
首筋に唇を滑らせると、零れ出てきてしまう自分の声を押し殺そうと顔を赤くしながらも、俺に抵抗する事は諦めたようだった。
吸血鬼に血を捧げた者は、その吸血鬼の奴隷になる、という話を昔聞いたことがある。
俺達もそうなれたらいいのに、と心底思った。
涼太が奴隷になればいいとは思わないが、俺が求めるのと同じくらい、こいつにも俺を求めて欲しい。
涼太が無知な事を利用して、その体を奪おうとしている。俺はどこまでも浅ましく卑しい。
体だけ手に入れたとしても、涼太の心まではきっと手に入らないだろう。
親友の皮を被ったゲス野郎だ、俺は。
それでも、涼太を手に入れたい。
涼太の首筋に這わせていた舌をゆっくり胸元まで落とす。
薄い色を帯びたそれには触れずに白い肌の上に舌を滑らせ、思い切り吸い上げた。
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