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・・・なんだ?なんかうるせえな・・・
俺はまだ眠い目をなんとか開けて、寝室を出た。なにやらバスルームで涼太が騒いでいるようだ。
「涼太?なにひとりで騒いでんだよ」
ドア越しに声をかける。
「あああああああ青!なんだよ、この大量の内出血は!オレの体がぁぁぁぁぁ!」
「キスマークと言え、色気がねえ」
「んなこと言ってる場合か!こんなにつけて、ほんっとバカなんじゃねえの!?」
「また、バカ扱いか、おしおきが足りなかったか?」
「う・・・」
ったく、青くんJrを放置して寝やがったくせに、朝から元気いっぱいだな、こいつ。
「・・・青、なんで?」
「何が?」
「なんで男のオレにセックスなんか教えてくれたの?青になんの得もねぇじゃん」
得?得なんてありまくりだよ。おまえに対して下心しかねえんだから。
「それ・・・は、友達が悩んでるってわかったら、力になりたい、って思うのは当たり前だろ」
「そっか・・・なんかごめん、汚ねえとこまで舐めさせちゃったし・・・」
「汚くなんかねえって!俺はむしろ、っ」
「むしろ、なんだよ?」
「っ、とにかく!涼太は汚くなんてないから安心しろって事だよ!風邪ひくから、長風呂すんなよ!」
そう言って、脱衣所を後にしてリビングのソファに倒れ込む。
ソファから微かに涼太のシャンプーの香りがして、昨日の乱れた涼太の姿が俺の頭の中を支配する。
何が、友達、だよ。
嘘くせぇ言葉だな、その一言を言えば、涼太が全てを受け入れてくれるとでも思ってんのか、俺は。
俺にあんな事されてもまだ、俺の事「友達」だって思えんのかよ、あいつは。
ほんと、どうしようもねえな。
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