運命の日

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嘘だろ、涼太!おまえ、男からも狙われんのかよ!ふざけんな、きったねえ手で俺の涼太に触ってんじゃねえよ、おっさん! 涼太に近づきたいのに、人波に阻まれて思うように進めない。 くっそ、なんなんだよ! 間もなくして、電車が駅に停車して、降り際に涼太が振り返り、おっさんの股間に蹴りを入れて、ホームに出た。 涼太、ナイス! やべ、俺も降りなきゃ。 駅から出たところで、涼太とあさみさんが見えた。 こうやって傍から見ると、あの二人絵になるな・・・ 誰が見ても、美男美女カップルだ。周りは誰も声を掛けないし、羨望の眼差しでふたりを見守っている。 俺が涼太の隣に居ても、カップルだ、なんて思う奴はいないだろう。それどころか、浅ましい女達が声をかける恰好のターゲットになってしまう。 そんな事を考えながら、二人を尾行しているといつの間にか人気のない通りに入っていた。 辺りを見渡すと、ラブホテルが立ち並んでいる。 あのドス黒、こんな朝っぱらから・・・ 一軒のホテルの前に立ち止まり、あさみさんが涼太の手を引く。が、涼太はその場から動かない。 そんな涼太を上目遣いで覗き込み、涼太の腕に手を回し引っ張っていこうとする。が、涼太は動かない。 もう!とふくれっ面をして、しょうがないなあ、といった感じで正面から涼太の首に手を回し、つま先立ちをしたあさみさんの顔と涼太の顔が近付く。 その光景を見ていた俺は、嫉妬と独占欲で走り出していた。
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