運命の日

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無言で涼太の腕を掴み、あさみさんから引き離し、自分の腕の中に閉じ込めた。 「え?同居人くん?」 「あ?青?おまえ大学どうしたんだよ、なんでメガネかけてんの?」 この状況でなんでそんな事聞けんだよ、涼太・・・もっと他にあんだろ。 「で、なんで同居人くんがここにいるの?」 少し不機嫌そうなあさみさん。 「そ・・・れは、・・・」 口ごもる俺を見上げる涼太。 ダメ、だ。やっぱり誰にもやれない。たとえ涼太が俺を友達以上には思えないとしても、誰かのものになるなんて、許せない。 「青?どーしたんだよ、おまえ、なんかへんっ、う、・・・っやめろ!」 俺はあさみさんに見せつけるように、涼太にキスをした。 「実は、俺たちこういう関係なんで。だから悪いけど、涼太にあさみさんを抱かせるわけにはいきません、すみません」 「ちょ、おい、何言ってんだよ、こういう関係って、待てよ」 涼太がしどろもどろになっている。後でぶっ殺される覚悟はできてるから、今は俺に従ってくれよ、頼むから・・・ 「そう」 あさみさんが自分の肩に指を食い込ませて小刻みに震えていた。 「すみません、不快な思いさせてしまって・・・」 「不快?・・・とんでもないわ!わたし、今すっごく萌えてるの!」 「「え?」」 思わず、涼太と顔を見合わせる。 「わたし、イケメンは大好きだけど、それ以上にBLが大好物なの!ヤバイ!今のキス!神々しすぎる!ありがとうございます~!」 俺たちに向かって、手を合わせて拝み込むあさみさん。 え?何が起こったの?え? 「ありがたやありがたや」と、拝むあさみさんを、放心状態で見続ける俺たちなのであった。
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