3.精神年齢に妥協は許されないわ

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「じゃあ、早口言葉とか?」 「いいね、早口言葉。そういうのを期待していたで。なにか言ってみ、ほらほら」 「きのうはー、あめだったしー、わたしー、すごくー、ゆーつなのー」 「それはゆっくり言葉じゃ!!」 「いやいやいや、じつはこれ、私の秘密作戦なんだけど」 「なに?」 「楽器のレッスンの人たちが言ってるわけよ、速いところを上手く弾くには、まずスピードを落として練習する、って」 「だからゆっくりかい」 「そうそう。ゆっくりしゃべる練習をしていると、きっと速くしゃべるのもできるようになる、ってわけ。天才か私」 「どう考えてもただのバカにしか思えないが」 「でーもー、みんながゆっくりしゃべればー、普通にしゃべっただけでもー、早口言葉になるって気がするんですけどー」 「すごいな、声の仕事を目指してゆっくりしゃべる練習をしている人は、世界でおまえだけだよ」 「そーおー?」 「じゃあ、その『そーおー?』ってやつに、ビブラートかけてみ」 「……」 「はい、どうぞ!!」 「そ~~お~~」 「おお、やればできるじゃないか」 「わ~~れ~~わ~~れ~~わ~~う~~ち~~ゅ~~う~~じ~~ん~~だ~~」 「扇風機の声だ、ノドに手をあてなくても扇風機の声になっとる!!」     
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