4.孤高なるは主役のサガ

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4.孤高なるは主役のサガ

 高校から帰宅する二人の女子高校生、セーラー服姿でローカルな道をてくてく歩いている。 「ねえ、私、いちおう道玄坂ユウリという声優希望の女子高生役になってるけど」 「そのままだが、なに?」 「役として、どうなんだろうね」 「どう、とは?」 「いや、ちゃんと『道玄坂ユウリという声優希望の女子高生』ができているのか、って話」 「できていようが、できていなかろうが、結果はなにも変わらないと思うが」 「いやいやいや、役は役というだけで、中の人はべつの人。あるいは、王国民の女王かもしれない」 「あんたの中の人が、田村なんとかであってほしいと?」 「ほしいとか、そういうんじゃないし。べつに田村先輩じゃなくてもいいの」 「きやすく先輩と呼べる関係か!!」 「とりあえず、今日は、この表向きの役をいったん置いて、本音で語ってみない?」 「どういう意味やねん?」 「だって、私は本当は道玄坂ユウリ役をやっている声優……まあ、綾音としよう。愛称はアヤネル。あなたは松本今日子役をやっている……花木澤さん。愛称はハナザー」 「なに、アヤネルとハナザー?」 「じつは、そういうわけだった。今決まった、おめでとう」 「で、どう展開しろと?」     
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