神域

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ーーわれはキムン。偉大な神シランパの使徒。人よ。これ以上神の域を侵すな。お前たちがより不幸になるぞ。 私は声を発することもできず照準を巨熊に向け、引き金に指をかけたまま動けない。 あとわずかに引き金に力をかければ、仕留めることができるのに。巨熊は続ける。 ーーわれとて時間が過ぎれば言葉を失うだろう。人を喰い高潔さを失ったのだ。そして多くの神はこの森から消える。人の傲慢によって森がなくなるからだ。われは予言する。この森を拓いた者は相応の報いが訪れる。 私は古老の話しを思い出していた。神がざわついている。心を強く持て。首筋から背中に汗が流れ落ちるのを感じていた。 ーーこの森を、自然を敬う人もいることを理解する。しかし圧倒的に傲慢が支配している現実は変わらない。人よ森を拓くな。災いが襲うぞ。 「それでも人は森を拓く。生きるため。森を拓く。」 私は心に強く念じて照準を定め直し、引き金を引く。鋭い銃声が響き渡り白い世界の空間が震えた。 弾は巨熊の心臓付近を撃ち抜いている。すぐさま次発装填。狙いを頭に定める。 ーー人よ。お前たちだけが善だと思うな! 巨熊はこちら体を向けると、天を引き裂かんばかりに咆哮した。 私は何も考えず。引き金を引き、弾は正確に巨熊の頭を撃ち抜いた。それで終わりである。巨熊は絶命した。
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