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国道17号線、
(深谷まで10キロ程度か・・・)
几帳面な彼女のおかげで
頭の隅っこに押しやってた
もう一人の几帳面な人間のこと、
考えんとアカン事を思い出した。
『話がある』何度も彼から電話とメール。
『忙しいの』を理由に日延べしてたのは
『話』は『別れ話』だから・・・。
四年近くになる彼の携帯電話、
二人でいる時、誰からの着信でも
その場で直ぐに受けてたのに、
半年程前から待ち受け画面を見て、
「後でええわ」と切ることが増え・・・
二度ほど少し短いスカートの似合う
女の人と梅田で買い物してるのを見た。
『心変わりなんや』と直感したら
余計に彼を問い質せんかった。
はっきり『そうや』と言われたら終わり。
単なる浮気ならまた元通り。
一生懸命念じたら念じるほど
彼の表情は深刻になってきてた。
『話がある』ー几帳面な彼らしい。
私とはキチンと別れておきたいんや・・・。
「キチンと別れる言われたら
終わりしかないやん」
独り言がポロリ。
でも彼も別れ際にきっと言うんや、
「また、いつか、どこかで」
それは
「ほな、サイナラ。もう会うことないわ」
の代名詞。
でもしばらくは環状線や山手線みたいに
「またってことはまだ会ったらなんとか、
いや、それはないんやって」
なんて言葉が私の中で
グルグルするんやろなあ・・・
「アホやなあ、私」
呆れてるのに涙、流れてる・・・。
ー 了 ー
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