キャシーと親愛なる友人たち2 背徳の陰に潜むモノ

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 我々はブランドン・ウォルシュの職歴も調べあげていた。 ――ピザの配達人、B&Bの料理人、ガスステーションの作業員、洗剤のセールスマンなどをして全米各地を転々としていた。  どれも長続きせず、ここヒューストンにたどり着いたのは、およそ三ヶ月前だ。  今はブルーバード・ストリートのオフィスビルで清掃員の仕事をしている。  ブランドン・ウォルシュがこのバーテンダーと古くからの付き合いなどもありそうにもない。  ひょっとして、このバーテンダーがブランドン・ウォルシュの犯罪(?)を我々の知らない所で片棒を担いでいるとでもいうのか?  いや、ありえそうにもない……。  だったら何故だ? 奴に脅されているのか? 何か弱みを握られているのか? モート……他に考えられる事はないか?  私は事件の内容を整理し、自問自答した。
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