キャシーと親愛なる友人たち2 背徳の陰に潜むモノ

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「ん、んっ!」    アンダーソンが白々しい咳払いをした。  私の隣でアンダーソンが(まったく無粋な奴だ。酒といったらバドワイザーしか知らん。いまもバカのひとつ覚えでバドを注文し飲んでいる)いらつきながらいる。  そろそろ潮時か……繰り返し思うが非常に残念でならない。  私はうしろ髪を引かれる思いで、二口目を舐めた。 「おほん! おほん!」  再び、アンダーソンの催促だ。  やれやれ、わかったよ。虎の威(国家権力)を借りる狐の青二才が。 「マスター、ちょっと訊いてもいいかな?」  私はこれがとても嫌なのだが、FBIのバッチが付いた身分証をそおっと開いて見せた。  バーテンダーの眉間に皺が寄る。そうだ。誰でもそういう反応になる。 「わたしは、アンダーソン捜査官! こっちはモート捜査官だ!」  仰々しい態度でアンダーソンが横から言い放った。  やれやれ、声をひそめた意図がわからんのか?  奥のテーブル席にいる二人組の男たちに目をやった。  案の定アンダーソンの言葉に驚いて体が固まっている。 「FBIが、どういったご用件でしょう?」  バーテンダーの声にも等しく警戒感がこもっているのがわかった。     
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