キャシーと親愛なる友人たち2 背徳の陰に潜むモノ

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 私はアンダーソンが抜け作でよかったと心底思った。  アンダーソンが自分でつくった緊張感をアンダーソンがまた自分でほぐしてくれるとは……しかし、よくこれでFBIに入れたな。 「いや、マスター、申し訳けない。同僚がとんだ失態を披露しましたな」 「いえいえ、コメディアンなら大歓迎ですよ」 「これはまたきつい一発だ。弱りましたな……」 「わたしは、マイケル・オニールです。楽しませてもらったお礼です、もう一杯ごちそうしましょう。わたしのおごりで」 「そりゃあ、ありがたい! 私はビル・モートです」  私はマイケル・オニールに手を差し出した。  彼は快く握手をしてくれた。彼の手の感触が物腰と同じように柔らかかった。
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