キャシーと親愛なる友人たち2 背徳の陰に潜むモノ

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「マスター、ごちそうさま!」  テーブル席の二人組の男たちが帰っていった。  二人組はバーを出る際、アンダーソンに「あんた面白かったよ!」と言って1ドルずつチップを渡していた。  アンダーソンは憤慨したようだったが、これも二人組には大いに受けて、彼らは大笑いしながら出ていった。  アンダーソンは怒りながらも受け取った2ドルをズボンのポケットに捻じ込んでいた。  私の前に新しい酒が届いた。  これも見事に香しい。今すぐ口をつけたい衝動に駆られたが、この和やかな流れを逃す手はなかった。 「我々はちょっとした人探しをしているのですよ」  と、懐から取り出した写真をカウンターに置き、オニールに見せた。
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