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私は何を言っているのだろう。
『フカヤクンガ気持チイイ』 なんて!
今のはさすがに終わりだ。
変態に思われた。
グロいホラー好きでしかも変態だというキャラが定着してしまった、深谷くんの中で。
今度こそ私は、フラれてしまうのだろうか。
「食べないの?」
「あ、うん。いただきます」
震える手でスプーンを持ち、エビグラタンを頬張る。
とても美味しいはずなのに、いろんな考えが頭の中を支配して食事を楽しめない。
そういえば、レストランでの形勢逆転指南は、「一口食べる?」と言って所謂あーんのやり取りを促すことだったな。
とてもじゃないけど、そんなことをできる自信がない。
「美味しい?」
「う、うん!美味しい」
突然深谷くんにそう聞かれ、普通に答えてしまった。
今のってめちゃくちゃチャンスだったんじゃない!?
なんて思っても、もう遅い。
「深谷くん、パスタ好きなの?」
「え?ああ、うん。結構。真綾は?」
「好き!」
「お、おう……」
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