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異変
結婚を控え、一度実家に帰ることになった光は驚きの光景を目にすることになる。
自分の母親と結羽の母親が楽しそうに立ち話をしていたのだ。
目を疑った。
しかし、それは紛れもなく光と結羽の母親同士なのだ。
光は母親に、
「子ども同士には会うことさえ許さないくせに親同士は良いのか?」
と聞いた。
一瞬きょとんとして、その後、何かを思い出したようにはっとしてこう告げた。
「光、あなた何年前のことを言っているの。そんなのあなた達が子どもの頃の話じゃないの。」
馬鹿にされているように感じた。
侮辱されているように感じた。
あんなに苦しんだのに。
あんなに辛い思いをさせたのに。
全部は自分たちの考えすぎだったと言うのか。
運命とは…なんて残酷なのだろう。
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