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俺は廊下で談笑を楽しむ生徒達を掻き分けながら、先へと進む。後ろで桜井が野次馬の如く俺の事を追ってきていたが、俺はそんな事を気にしてる余裕もない。
校内の外へと出ると空には煌めく太陽が眩しく、とてつもない暑さを放っていた。どこからともなく蝉の声が聞こえる。
俺は一旦立ち止まり、またゆっくりと歩き出す。もちろんその後ろを桜井がついてきている。
一旦立ち止まった事で、俺の脳内も落ち着いたのかある疑問が浮かんだ。
それほどまで大野さんが怒る理由がよく分からないのだ。もし、もう一つの人格が大野さんに失礼をしていたとしても俺の学校にまでわざわざ来る事なのだろうか。
一体何を俺はしたのだろう。
「おい! あの人じゃね? 」
桜井はいつのまにか俺の横に並んで、校門の方に向かって指を指した。
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