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「じゃあお前はあの時間、家で寝てたってわけか? 」
大野さんは落ち着きを取り戻したのか少し表情が柔らかくなっていて、アイスコーヒーを美味しそうに飲んだ。
校門の前で胸倉を掴まれた時はどうなるかと思った。あの時桜井が止めてくれなかったらあのまま俺は殴られていただろう。
その桜井の提案でC駅前にあるカフェにやってきたばかりだ。もちろん桜井も同席してもらっている。
「そうなんです」
俺は何も頼んでいないので仕方なく水を飲み、乾いた口を潤した。
「えっ? じゃあ俺が昨日見たのは? 」
桜井が俺の横で声をあげた。
一体何から説明すればいいのだろうか。
それに吉田さんが襲われただなんて未だに信じられない。
一度に色々な事が起こりすぎて自分でも何が何だか分からないでいた。
「えっと…… それは…… 」
俺は二人に最近起きている現象を話した。
自分の知らないところで自分が目撃されている事。
そして自分の弟がもしかしたら俺の体を乗っ取っているかもしれない事。
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