…第4章 麻衣と涼太

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その後はホッとして気が抜けたのか、お酒が進んでしまった。 先輩に話さなくちゃ…という緊張感を抱えて一日中過ごしていたので、緊張の糸が切れてしまったのかもしれない。 「麻衣ちゃん、眠くなってきた?」 「うーん。ちょっと眠い…かも。」 「じゃあ、そろそろお店出ようか。」 腕時計をチラッと見た先輩が、 「ごめん、トイレ行ってくるね。」と言って席を立った。 立ち上がった先輩は、いつのまにかマウンテンパーカーを羽織っている。 「麻衣ちゃんは、ゆっくり支度してて。」 「はーい。」 先輩が障子を閉めて、歩く音が遠ざかっていった。 コートを羽織って、ストールを巻く。 それからショルダーバッグを肩から掛けて、テーブルや座っていた場所をサラッと確認する。 ゴミをまとめて、お皿やグラスを一か所にまとめた。 見た感じでは、忘れ物はなさそう。 でも、ちょっと眠くて心配だから、涼太先輩にも見てもらったほうがいいかな。 そう思いながら個室を出てブーツを履いているところに、ちょうど先輩が戻ってきた。
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