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「サラッと、忘れ物がないかを見てみたんです…じゃなくて見てみたんだけど、涼太先輩も見てもらえる?」
「分かった、見てみるね。」
涼太先輩が見てくれて、忘れ物はないみたい。
「じゃあ、行こうか。あ、トイレ行くなら待ってるけど、行かなくて大丈夫?」
「あ、寄っておこうかな。」
「分かった。じゃあ待ってるね。」
トイレから出たら、お店の入り口前で待っている涼太先輩が見えた。
入れ違うようにトイレに入ってきた女の子の二人組が、
「入り口のとこにいた人、めっちゃイケメンじゃなかった?」
「トイレ出たら声かけてみる?」
…なんて、涼太先輩のことを噂していた。
ごめんなさい、その人私の彼氏なんです。
心の中で謝った。
入り口にいる涼太先輩のところに向かうと、
「じゃあ、行こうか。」って先輩が暖簾越しに引き戸を開けようとした。
「あ、お会計まだじゃ…」
「さっき済ませておいたから。」
えっ。驚いている私をよそに、
「ご馳走様でした。」ってレジにいた店員さんに声をかけて、涼太先輩は引き戸を開けた。
「あっ、ご馳走様でした。」
私も店員さんに声をかけて、お店の外に出た先輩に続いた。
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