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蓮太郎が連れてきてくれたのは、駅から少しだけ歩いた小路の先に佇む建物だった。
茶色いレンガの外観に、木製の重厚なドア。
ドアにはクリスマスが近いからか、リースが掛かっていた。
そのリースが、グリーン、レッド、ゴールド、シルバーとシンプルな色合いながらも大人っぽくて洗練された雰囲気で。
それだけで、中に入るのが楽しみになった。
こんな素敵なリースが外に飾られているなんて、きっと素敵なお店だろうから。
「なんか、ドアからして素敵な雰囲気だね。」
大人の雰囲気満載のこのお店の前で、普段のようにワイワイやっていいものか少し躊躇われて、こっそりと小さな声で蓮太郎に伝える。
「たまたま見つけたんだ。」
蓮太郎はそう言った。
そうか、蓮太郎は一人でもバー巡りしてるんだ。蓮太郎が連れて来てくれたなら、きっと素敵なお店なんだろうな。
期待が一気に高まった。
中のドアを開けて店内に進む蓮太郎の後ろを付いて行く。
店内に入った途端に耳に心地よいジャズの音が響いてきて、まるで別世界に入り込んだみたいだ。
慣れた様子で店内を進む蓮太郎は、カウンター内のバーテンダーさんに会釈をし、カウンター席に向かった。
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