…第2章 麻衣と涼太

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映画研究会の活動は順調だったけど、アウトドアサークルの活動も順調だった。 活動がスタートして最初にしたのは、企画ごとのグループ分けと、大まかな年間活動計画を決めることだった。 アウトドアサークルでは、新入生は私だけではなかったから、こちらでも新しい友達ができた。 新しい活動、新しいメンバー、少しずつ自分の世界が広がっているのを感じている。 今年の活動始めは登山から。 登山に始まり、ラフティング、キャンプなど、楽しそうな予定がたくさんあった。 私は、迷わず最初に興味を持ったラフティングのグループに入った。 イケメンで王子様の吉崎先輩と一緒のグループ。 「篠田さん、一緒になったね。よろしく。」 吉崎先輩が、優しく声をかけてくれた。 「はい、よろしくお願いします!」 「ラフティング楽しいからね。」 本当に楽しそうなのが、表情から伝わってくる。 「私、やったことないので本当に楽しみなんです。『川を下る』ってイメージしかないんですが、合ってますか?」 「そうだね。ゴムボートに乗って、オールで漕ぎながら川を下るんだよ。ドライスーツやヘルメットや救命胴衣はレンタルできるから。あとは、ボートにそれぞれガイドの方も乗るから、漕ぎ方も指示してもらえるし。」 「前に写真を見せてもらったんですが、参加した皆さん楽しそうな表情でした。」 「うん、本当に楽しいから。皆で楽しくできるように、企画運営頑張ろうね。」 「はい、頑張ります!」 一番最初の活動の登山の機会はすぐに訪れて、そして無事に終わった。 道具を揃えるのはお金がかかるので、最初は登山を趣味にしている両親から道具を借りようと思ってたんだけど。 ゴールデンウィークに帰省した時に、道具を買ってもらえることになった。 お陰でお気に入りの装備になったと思う。 登山は小学生の頃に両親と行ったのが最後で、かなり久しぶりだった。 久しぶりに斜面を登る感覚はしんどかったけど、時折顔を撫でる風が気持ちよかった。 山頂に到着して目に入った景色は、晴れた青空と相まって、とても美しかった。 身体を動かすのって、自然に触れるのって気持ちいいな。 そう実感する機会になった。
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