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吉崎先輩は、やっぱり優しい。
アウトドアサークルは本当にやりたい人たちが集まっているから、王子様目当ての女子はいなかった。
男女問わず、先輩後輩問わず優しい先輩は、やっぱり皆に王子様って呼ばれていたけれど。
吉崎先輩はいつもさりげない優しさで、細かいことにも気づいてくれて、会話も楽しい。
どうしてこんなに素敵な人に彼女がいないのか、不思議なくらい。
蓮太郎といい吉崎先輩といい、「イケメン=彼女がいる」って訳じゃないんだなぁって実感する。
それ自体が、私の勝手なイメージなんだけど。
伊藤先輩の予想外の不在で、吉崎先輩と二人きりのドライブになったけれど。
その時間は、私にとって心地よいものだった。
車は2時間半ほどで目的地に到着した。
集合場所は、ラフティングのサービスを運営している会社の施設。
集合場所には、既に到着している参加者がいた。
彩香先輩と濱野先輩ももう到着していた。
「麻衣!おはよう。」
「彩香先輩、濱野先輩もおはようございます!」
「おはよう。」
「お天気に恵まれてよかったね。今日は初めての進行、頑張ってね!」
「はい、頑張ります!」
「行きの車、吉崎と二人きりになっちゃったんでしょ?大丈夫だった?」
「吉崎先輩優しくて、お話も楽しかったし、あっというまでしたよ。」
「…ならいいけど。」
「あっ、私吉崎先輩のところに行ってきますね。また後で。」
ラフティング担当のメンバーが集まっていたので、慌てて私も向かった。
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