ループ・ループ

＜第五話＞

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『高槻先生、今すぐ次回の掲載内容を変更してください。“戦え、絶唱アイドル！”の公式漫画で、間違った内容を掲載していいはずがありません。蓮馬君には他に、あたしという正しい恋人が存在しています。蓮馬君に浮気なんかさせないでください。彼はけして彼女を悲しませる薄情な人間ではありません。きっとそんな行為を強いられて、蓮馬君は泣いています。高槻先生はきちんとその声を聞き届けて、正しい内容に差し替えて下さると信じています。』

　“戦え、絶唱アイドル！”の公式漫画の作者、高槻みど先生の公式Twitterに、真由は慌てて返信を送った。高槻先生は頻繁にツイートを更新している。つまり、この返信はすぐ先生の目に止まるはずなのである。きっとすぐに真由のコメントに気づいて自分の誤解を悟り、すぐに謝罪のお返事を書いてくれることだろう。
　だが。真由がそれを書いてすぐ――高槻先生よりも先に、別のファンからレスが飛んでくることになった。それも、複数の人間からである。

『すみません、あなた何を言ってるんですか？なんであなたが蓮馬の恋人なの？現実の人間と漫画の世界の人間はお付き合いできませんが』

『うっわ…やばい奴じゃん…ドン引きなんですけど。頭おかしい』

『まさか自分が蓮馬の恋人だと思い込んじゃってるお花畑ちゃん？うっわ夢女子きもっ…ありえない…』

『もはやストーカーの域なんですが。蓮馬君が泣いてる？そりゃそうでしょうね、あなたみたいな気持ち悪いストーカーに粘着されて蓮馬君も可哀想に…きっと怖い怖いって泣いてるでしょうねー』

『高槻先生、変な書き込みあるけど気にしないでください！次回楽しみにしています！』

『そまそも今から原稿差し替えとか不可能に決まってるじゃん、イカレてるわ』

『デート回楽しみにしてます！智ちゃんと蓮君はお似合いだと思います！！』

『妄想夢女子ストーカーのことなんか気にしないで、原稿がんばってください！高槻先生応援しています！』

『妄想STKのまゆまゆタソ、フルボッコでクッソワロwwwねえどんな気持ち？どんな気持ちー？』