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真っ赤になって怒る志貴を、望は抱き留められたまま、斜め後ろに傾いた状態で見上げ、一体何が起こったんだろうと、視線を志貴が怒鳴った方向に向けると、横に立った猛がにやにと笑っている。
「いや、悪い!あんまり取り澄ましているから、どっか悪いのかなと思ってさ。それなら俺にも勝ち目があるかなと思ったんだけど、ちゃんと反応…」
「うるさい!黙れ!望がケガをしたらどうするんだ?俺に触るな!」
志貴がこんなに狼狽えるのを初めて目にして、望のどきどきはだんだん激しく大きくなる。
反応って…触るなって……ええ~~~っ!?
猛が志貴のどこに触ったのか想像をした途端、望は顔と言わず、全身が真っ赤になった。
志貴に背中を預けているだけに、余計リアルに想像してしまい、うずうずと得体の知れない蠕動が身体の中心に湧き起る。
助けを求めて美麗を見たが、一部始終を見ていた美麗はつぼにはまってしまったらしく、身体を折って笑いこけている。
そうだよね、冗談で流せばいいんだよね。まだ笑いの止まらない美麗を見ているうちに、望はほっと一息をつくことができた。
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