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「自分で垢ぬけないなんて言ってちゃだめだ。人は自信次第で、印象がぜんぜん変わってくるんだから・・・」
「それは、今井さんみたいに、ファッションデザイナーとしての才能があって、自分のブランドを立ち上げているから言えるんです。
私なんか、志貴さんと付き合うまでふられてばっかりだし、女性としての魅力があるなんて思えないのに、ドレスのモデルなんてハードルが高すぎます」
「えっ?ふられてばっかりって?ほんとかそれは?」
猛が驚いて質問すると、きまり悪そうな素振りを見せたのは望だけではなく、美麗がもじもじしながら、望の代わりに言い訳をする。
「望はもてないんじゃなくて、周りの男が浮気症で、根性無しのどうしようもない奴ばかりだったのよ。女性から見たって、望は中性的で目鼻立ちもはっきりしてきれいだもの。プロポーションだっていいし、もっと自信をもって欲しいわ」
「美麗さんは、友達思いなんだな。俺に向けるつんけんした態度とは大違いだ。望ちゃんはあまり流行に敏感じゃなさそうだから、知らないかもしれないが、今はジェンダーレスが流行してるから、望ちゃんの顔はモテ顔なんだぞ」
へぇ、そうなのと望が目を丸くしている後ろから、志貴が渋い顔で猛をにらむ。
「他のやつにもてる必要はないから。そんなことに自信を持てと唆さないでくれ」
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