デザイナーズドレス

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 かっこいい~~~。帰るまでに平静でいられるか自信がない。変なこと言ったり、やったりしたらどうしよ~~~。  もし、今歩いたら、確実に右手と右足が一緒に出そうだ。脚が捻挫していて恥をさらさなくてよかったと、関係のないことにまでに考えが飛んでしまう。  望の内心が強風の中の葉っぱのように、錐もみ状態なのも露知らず、志貴は紅茶とクラッカーをリビングテーブルにセッティングし終えると、テーブルの下の置台にトレーを置いて、望の横に腰を下ろした。  3人掛けのソファーなんだから、こんなに近くに座らなくてもいいのにと、志貴の体温を左側に感じた望は途端に困惑顔になる。  志貴は望の顔をちらりと見たが、口元の笑みを深くしただけで、座る位置もそのままに、クリームチーズに乗っているジャムの種類を説明し始めた。 「これがアプリコットで、こっちがアップル、それはみかんだよ。どうぞ食べてみて」  望は勧められるまま、アプリコットを取って一口かじる。  サクッとした生地のクラッカーと少し酸味のあるクリームチーズに載せられた濃厚な甘みに、アクセントの瑞々しいブルーベリーが混ざり合って、手軽なのに舌が喜んで味わおうとする。  望は目を輝かせながら志貴を見上げ、もぐもぐする口を開けられない代わりに、頷いて美味しさを伝えた。     
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