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舐められた!? 目の前で起きていることがようやく感覚と結びつく。
望は口を半開きにして、目を見張ったまま、志貴の口元から視線をはがして上へと移動させる。
悪戯っ子のような表情を想像していた望は、予想に反して、舌よりも熱く欲望を滾らせた志貴の瞳に焼かれた。
唇がわななくのを抑えるため、きゅっと奥歯をかみしめるが、志貴は望から視線を外さず、指を歯で軽く咥え、指先を舌でぞろりと舐める。
熱を持ったぬめりのある舌で、指先に執拗な愛撫を施されると、咥えられた第一関節はどんどん感覚を鋭くし、生まれた甘い疼きが腕を伝わって身体じゅうに伝播していった。
もう、指先は・・・と首を振ると、今度は生き物の様なその舌が指を這い伝い、指の股へと降りてくる。
指の途中は思うほど感覚を得られず、ほっとしたのも束の間、指と指の間は望が知らないほど敏感で、志貴の舌が蠢く度に喉から甘い声が漏れた。
「志貴さん、もう…もう指は…きれいになりましたから……」
舐めないでと切羽詰まった声で望が懇願すると、泣き出しそうな望の顔を見て、志貴が苦し気に眉を寄せる。
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