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「あいつが触れた所を、全部舐めとりたい」
ぞくんとした震えが望を包んだ瞬間に、志貴に抱き込まれて身体が左に傾いた。
「ただ、サイズを…測定しただけです」
「それでもだ。あんな姿を見せるだけでも腹立たしいのに、望を変えるなんて豪語するから、殴ってやりたくなったよ」
「志貴さん……」
志貴は嫉妬した顔を見られまいとするように、望の頭に顔を寄せてキスをする。
額にも、頬にも瞼にもバードキスを降らせた。
志貴は猛が触れたところを見ていたはずなのに、触れられていない頬も瞼に、そして耳にまでも口付けてくる。かかる吐息とチュッという音がリアルすぎて、そこは触れられていないと言おうとしたのに、耳タブを齧られて開いた口から出たのは喘ぎだった。
恥ずかしさに身を縮めるが、歯をこすり合わせるようにして耳たぶをこね回されると、じんじんとした甘いしびれが頭のてっぺんから、首筋に走り、背中をも駆け抜けて身体の奥の密やかな部分に到達する。
くたっと力が抜けた望の首筋に志貴が舌を這わせた瞬間、望の身体が震えた。
「ああっ!…やっ……」
今や髪の毛が触れても、敏感に感じる箇所になってしまった首を片手で覆い、望はそれでも防ぎ足りないと、首を竦めて守ろうとする。
「足が治るまで我慢しようと思ったのに……」
望をぎゅっと抱きしめて、志貴が頭の上で耐えきれないように呟く。
背中から回って望を支える手が、脇から這い出して、迷いながら、許しを請う様に胸の高みを上ろうとしては立ち止まる。
望はもはや逆らう気力もなく、ただ任せるままに指の辿る感覚を追った。
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