デザイナーズドレス

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「二十歳のやりたい盛りから、7年経って中身も見られるようになった俺を尊重して欲しいな」 「じゃあ、あと一つ…」 「何だ?」 「うまくできなくても嫌いませんか?私は志貴さんを満足させられな……きゃっ」  言っている最中に抱きしめられ、望はその強さに抱きつぶされてしまうかもしれないと思った。息苦しさを覚えて志貴を見ると、少し怖いくらい真剣な顔は、何かに耐えているようで、望は自分が変なことを訊ねたのかと不安になる。  そのまま志貴に抱き上げられて、リビングに続く隣のドアから寝室に入ると、望はベッドの上にそっと横たえられた。志貴が隣に上がってきてマットレスが片方だけぎしりと沈む。  
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