1629人が本棚に入れています
本棚に追加
それでも自分より背の高い男性で、人を見た目で判断しないリーダー格の人に憧れてしまうので、その男性たちが、自分達に見合う美人で女らしい人を選んでカップルになると、男友達がするように、良かったねと背中をたたいて祝福するしかなかった。
自分の役割は心得てはいるけれど、心の中で思うだけならいいよねと、望はふと先輩の佐久間のことに思いを馳せたが、相川の声で我に返った。
「和倉さん、これに決めます。彼も気に入ったし、親戚や友人も楽しめそうだし、和倉さんに担当してもらえて、本当によかったです」
「わぁ、ほんとですか? 嬉しいです。でも、お二人の気持ちが、ぴったりと寄り添ってらっしゃるから、最適なプランを選び出されたのだと思います。それに、水谷さんは勇者が似合いそうですよね。私も見てみたいです」
望のおだてに、水谷は照れて頭を掻きながらも満更でもない様子だ。婚約者を褒められた相川も、自分のことのように嬉しそうに微笑んでいる。
二人の幸せそうな様子に、望は納得してもらえるプランを勧められたことに満足感を覚えた。
「では、こちらのプランで進めさせて頂きますので、必要書類にご記入をお願いいたします」
二人が和気あいあいと相談しながら記入している間、望はウェディングプランや費用などの詳細が書かれた紙と、約二十名分の親戚や友人に配るための渡航の必要事項が記載された書類を揃えて袋に詰めた。
最初のコメントを投稿しよう!