プロローグ ウェディングプランナー 

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「ああ、じゃあそうさせてもらおう」  店内に入ろうとしたウェイトレスに席の変更を告げると、佐久間と村上は、水と上着を取りに店内に戻っていった。 「ちょ、ちょっと美麗、勝手に決めて‥‥‥」  望があたふたするのを面白がるように眺めてから、美麗が小声で囁いた。 「だって、さっき佐久間リーダーが昼食誘おうとしたとき、私が途中で入ったら、望しょんぼりしたみたいだったもの。邪魔しちゃったかなって反省してたのよ。望ひょっとして、佐久間リーダーのこと‥‥‥」 「違う!それはないない! だって、今日はランチの時間に、今度提出するイベント企画の下見のことを話し合おうって言ってたじゃない。もう明日行くんだよ。美麗は考えたの?」  急に自分の気持ちを言い当てられて、望が早口になって否定していると、すぐ頭の上から佐久間の声が降ってきて、望はひゃっと首をすくめた。 「何だ秘密会議をするつもりだったのか?それは邪魔して悪かったな。で?どんな企画を立てたんだ?」  大型の正方形のテーブルに、美麗と向かい合って座る望の右横の椅子を引いて、腰かけた佐久間が二人の顔を見比べて尋ねた。
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