それは絶妙なタイミングでありまして。

6/6

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「川原!」 その甘い雰囲気、いや、俺が思ってるだけだけど、その空気を壊しそうな女子の声が教室中に響いた。 「佐々木さんが川原に話あるんだって!」 何だよ、せっかく新藤と同じこ… 「早く!」 教室にいる全員の視線が俺に向いている気がした。 新藤は廊下側に目線を向けている。俺の目線にはお前しかいないのに。 「行ってあげれば?」 俺と目線が重なったお前から、その言葉を聞きたくはなかった。 「うん。」 俺はふらつくことなく立ち上がり、女子二人が待つ廊下へ向かった。 ちなみに一人は、顔も知らない女子だ。 このタイミングで、この仕打ちなんて。 神様って、やっぱいないんだな。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加