一章 家族の欠片

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一章 家族の欠片

 父や母がいて、最愛の妹と従順な白い大型犬。  暮らしは至ってごく普通で、朝日とともに畑へ出て市場で取れた野菜などを卸す。  日々の暮らしには十分な収入だ。  少し時間がある時は、母に教わりながら薬草の採取と加工。そして調合も教わる。  怪我と病気はいつなっても、大丈夫なように。  備えはいつもしていた。  冬支度が近い頃ごろは、牧や枝なども集め物置小屋へ運び入れる。小屋の中は藁や枝、そして使いやすいように割った牧が綺麗に整頓されて、冬を待つ。  ときどき妹と喧嘩したり、父親に思いっきり叱られたり、いたずらをして母を悩ませることも、まぁ家族ならよくある事だ。  
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