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そう悪態をつくと、坊主は頭から血を垂らしながらヨロヨロと走り去った。
「ふう、やれやれ」
坊主が去って行くのを見送って、私は一呼吸置いてから、再び美少女転生岩と向き合った。
ふん、私がその辺の根性無しの転生希望者と同じだと? 笑わせてくれる。クククと、笑い声を上げそ
うになっる自分を私は慌てて制した。危ない危ない、せっかく塞がった傷口が、また開いて出血するところだったぜ。私は古傷を思い出して自分の脇腹を押さえた。あばら骨が三本、いや五本? これくらいで済んでオレは幸運だった。
「さあ、やるぞ」
気を取り直して私は岩に手をついた。いよいよ頭を岩にぶつける。ちょうど岩に対して腕立てをするようなポーズになった。
「ふふふ、何発くらいで死ねるかな。10発か20発か・・・・・・、いやいや100発くらいかもしれんな。もしかしたら岩のほうが先に、私の頭突きに絶えきれずに壊れてしまうかも。ああ、そういう事だって十分あり得る」
「・・・・・・」
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