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「朱美もやっぱり可愛いよね。」
そう言って瞳はまた自分の髪の毛を少し鬱陶しそうにかき上げながら私に言い放った。
瞳の方が可愛いよ。間違いなくね。
そう言いたかった。本当はそう言いたかったんだ。
「瞳って本当に性格悪いよね。」
そう言って私はまた動揺することもなく、その言葉を突き放すように答えた。
「知ってる。だから彼氏できないんだよね。」
瞳に彼氏ができないように瞳の知らないところで祈ってる自分は、もしかしたら一番性格が悪いのかもしれない。
でもそれを瞳にはまだ気づかれていない。
それを気づかれたところでどうこうなる関係でないことも知ってる。
いつからだろう。瞳のことを自分の大切な人だと断定してしまうようになったのは。
そして、いつからだろう。
瞳のことを自分のものにしたいと思ってしまうようになったのは。
私と瞳は、小学校からの大切な友達なんだ。
俗にいう親友なんだ。
そう。
私達は、まだ、親友なんだ。
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