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「朱美っていつも私の髪見てるよね。」
瞳は自分の髪の毛を少し鬱陶しそうにかき上げながら私に言い放った。
「瞳の髪綺麗だから誰だって見ちゃうよ。」
私は動揺することもなく、その言葉を突き放すように答えた。
「そうかな?毛先とかもう色抜けちゃってこんなになってるし。」
「でも綺麗だよ。」
「そうかな?でも私の髪って基本ごわついてない?触ってもサラサラしてないし。」
「でも綺麗だよ。」
「そうかな?でも見てここ。痛みすぎじゃない?これ多分もう無理だね。トリートメントしないといけないのかな。」
「でも綺麗だよ。」
それでも瞳は綺麗だよ。
私はいつもそう思いながら瞳の髪を見ている。
それを瞳に気づかれていると思ってはいなかったが、それを気づかれたところでどうこうなる関係でないことも知ってる。
私と瞳は、小学校からの大切な友達なんだから。
俗にいう親友なんだから。
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